夢二夜

連日金にまつわる薄い悪夢を見ている。
 

  • 一日目

私の祖父は母方も父方も私が生まれる前、生まれた直後に亡くなってしまっているので
わたしには「おじいちゃん」がいない。にもかかわらず「おじいちゃん」がリビングに
おいてある古いデスクトップ型のパソコンの前に座っている。
「おじいちゃん」はしきりに、
「わしに金があればねー。あのね。もう確実にもうかるっちゅう話はほんといっぱいあるんよ。」
「これ、これ今500万でもつぎ込めばね、もうあっちゅうまに倍になろうね。」
と大声を上げている。
母は、「おじいちゃん」の勧めにのってお金をどこかへ振り込んでしまった。
私は即座に「おじいちゃん」がしきりに名前を出していた怪しげな財団名を自分の手元のラップトップコンピュータで検索する。
画面に現れたのは怪しげな品物を売りつけて金をせしめる悪徳商法の被害者ホームページ。
「お母さん。そこ、詐欺よ。何か変なもん売りつけてお金とってしまうって。帰ってこんのってよ。」
母は「えー」といってみるみる顔を崩す。
「いくら払ったんね?」
「500万」
「それ今日ね?銀行に電話し。もしかしたら手続きとめてくれるかもしれん。」
「どうしよう。だめやったら、どうしよう。」
母は震える涙声で電話をかける。
「あのね、今日ね、500万払ったと。うん。あ、そう、あ、はいはい。」
母の口調は不自然に幼稚園児のようにつたない。
「何ち?とめられるっち?」
「だめやったああ。何かね、今は担当者がおらんけ、わからんのっち。ママもうね、だめとおもう。」
「私がもう一回電話してやるけん。ちゃんと説明せな向こうだってわからんよ。」

というところで目が覚めた。

  • 二日目

父が株に手をだした。その二日後に株価が大暴落した。
父は悔しがってつらつらと言い訳を重ねる。
「○○社も、○○も、○○も、皆半額になっとう。しもたー。こんなんなるたあ。」
父はいつも母と連れ立っていくエアロビにも行かず新聞の株価欄を舐め回す。
「株なんちゅうもんはお金を増やすためにやるんと違うんよ、お父さん。もうあきらめり。」
「そんなんゆってもね、半額よ。半額。500万も損したんよ。どうかして取り戻さな。」
「お父さん。そんなに値段が下がっとうのもずっとやないよ。しばらく辛抱したら、また適当な額に戻るけん。
それまで待っときいよ。買ったときの額には戻らんかもしれんけど。でも今手放したらいけんよ。」
父はそんな話に耳も貸さず新聞をボールペンの先でつっつく。

というところで目が覚めた。


どちらも大金(500万円)を瞬時に無くすというシチュエーションだけど、
お金は私のものではなく、失ったのも私のせいではない。
一体何故こんな夢を続けて見るのか。分析してもらいたいくらい。


予知夢とか、そういうのだけは勘弁。